肥満体がフルマラソンに挑戦するブログ

BMI28、アラフォーです。マラソンを科学します。

手根管症候群 鏡視下か小切開か?

 手根管症候群という病気があります。整形外科ではなじみのあるよくある疾患です。

症状

こんな風に手がしびれます。

ひどい人は夜間痛がひどかったり、モノがつかみにくくなります。

 

原因は一般的には

病態

正中神経が圧迫されるからだと言われています。

圧迫する原因には

①肥厚した横手根靭帯

②屈筋腱周囲の滑膜肥厚 特にリウマチやアミロイド沈着を伴う透析の人

③筋の破格  通常 手根管と呼ばれる部分には手指伸展位では筋肉が見えないのですが、伸展位でも筋肉が入り込んでいる人がいます。

ガングリオン等の圧迫

 

治療は

内視鏡で横手根靭帯を切離する

②小切開で切離する

 

の方法があります。

①の場合は皮切は一か所5mm-1cmで行う方法や手首と手掌に2か所0.5-1.0cmの皮切を行う方法があります。人によっては1.5cm程度開いてしっかり神経をみて内視鏡を入れる先生もいます。

皮切の大きさは合計で0.5cm-1.5*2=3cm程度となります。

②の場合は皮切は2.5-3cm程度です。

 

ではどちらがよいのでしょうか。

成績はどちらも変わらないと言われています。

ただ成績はどちらも変わらないが満足度は内視鏡の方が高かったという報告もあります。

 

手根管症候群の合併症で最もいやなのは神経損傷ですが、熟練したものがすれば合併症は変わりません。

熟練したものというところがポイントでやっぱり、リスクとしては内視鏡の方が高いかもしれません。

癒着が強い症例で外筒がうまく入らない等はすぐに小切開に移行すべきでしょう。

ちなみに原因2,3,4に関しては内視鏡では困難です。術前にはっきりと2,3,4の原因ではない一般的な手根管症候群であるとわかればいいのですが、たいていわかりません。内視鏡でしても症状が改善されない場合などは2,3,4が原因の可能性もあります。

 

ではお値段はどうでしょうか。

診療報酬でいうと鏡視下は10万円に対して小切開は4万程度と2.5倍の差があります。

 

病院は鏡視下でする方がもうかるので、鏡視下ができる施設ではやっぱり鏡視下をすすめることが多いかもしれません。病院も儲かるし、患者さんもなんか鏡視下のほうが低侵襲でよいのではなんていう満足感も得られる。win winの関係です。ただ、国からすれば、成績があまり変わらない治療に2.5倍のお金を出すのはどうなんでしょうか。

 

自分だったらどっちの治療を受けたいかというと...

熟練した外科医に小切開でしっかりやってもらいたいと思いますね。

鏡視下と比較して切開線は結局1cm程度しか変わらないし、やっぱり神経損傷が怖いですから。それに破格筋等もしっかりみてもらえる…あんまり実際の鏡視下のメリットはないかと思います。

鏡視下で低侵襲にされたという満足感はあるでしょうが、まぁブランドバッグのようなものでしょうね。機能的には変わらないが、優越感に浸れるみたいなもんでしょう。